韓国・国立現代美術館果川で開催、日韓現代美術80年をたどる展覧会〈ロードムービー:1945年以後の日韓美術〉

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韓国の国立現代美術館(MMCA)は、日本の横浜美術館と共同企画した展覧会〈ロードムービー:1945年以後の日韓美術〉を、2026年5月14日から9月27日まで、韓国・京畿道果川市にある国立現代美術館果川で開催している。日韓国交正常化60周年を記念して企画された本展は、1945年以後の約80年にわたる韓国と日本の現代美術交流をたどる大規模展だ。

会場となる国立現代美術館果川は、ソウル近郊に位置する韓国を代表する現代美術館の一つ。今回の展覧会は、果川館1階の第1・第2展示室、中央ホール、屋外彫刻公園までを使い、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーション、アーカイブ資料など約200点を紹介する。観覧料は果川展示観覧券で3,000ウォン、日本円では現在の為替レートで約316円となる。円換算は変動するため、渡航・観覧前に最新レートを確認したい。

展覧会タイトルの「ロードムービー」は、旅の途中で予期せぬ人物や出来事に出会い、主人公が変化していく映画ジャンルに由来する。韓国と日本の芸術家たちもまた、戦後の複雑な歴史、冷戦、朝鮮半島の分断、1965年の日韓国交正常化、その後の文化交流の中で、互いに接近し、ときにすれ違いながら、複数の「道」をつくってきた。本展はその過程を、単純な友好の物語としてではなく、断絶、誤解、非対称性、緊張を含む多層的な交流史として提示する。

日本の読者にとって注目されるのは、本展が「韓国の中の日本美術」だけでなく、「日本の中に存在してきた韓国美術」や「在日韓国・朝鮮人作家の足跡」にも焦点を当てている点だ。展覧会は、趙良奎、宋英玉、郭仁植ら、戦後日本で活動した在日韓国・朝鮮人作家たちの視点から出発する。彼らの作品は、植民地支配の記憶、戦後社会、分断と移動の経験を背景に、日本の現代美術史の中でも改めて見直すべき重要な位置を占めている。

白南準(ナムジュン・パイク)と日本の芸術家たちとの関係も、本展の大きな柱となる。白南準は1950年代に東京で美学と音楽を学び、その後ドイツ、アメリカへと活動の場を広げ、ビデオアートの先駆者として知られるようになった。展覧会では、フルクサスやハイレッド・センター、久保田成子らとの接点を通じて、韓国、日本、ヨーロッパ、アメリカを横断した前衛芸術のネットワークが紹介される。日本の観客にとっては、白南準を韓国出身の国際的作家としてだけでなく、戦後日本の芸術シーンとも深く結びついた存在として再確認する機会となる。

1965年の日韓国交正常化以後の章では、日本で開かれた韓国現代美術展が重要な役割を果たす。韓国現代美術は当時、日本の主要美術館やギャラリーを通じて本格的に紹介され、李禹煥、朴栖甫らをはじめとする作家と日本美術界の接点が広がっていった。東京画廊や明洞画廊などの展示空間、批評家やキュレーターによる人的ネットワークは、その後の日韓美術交流をより複雑で豊かなものにしていく基盤となった。

1980年代以後の交流は、ソウルと東京だけにとどまらない。大邱、釜山、京都、札幌など各地域でも、作家、企画者、ギャラリーが独自の関係を築いていった。日本で生まれ活動した在日韓国人作家・郭徳俊は、韓国と日本の作家を紹介する展覧会や出版活動を通じて、国家や制度に限定されない交流の場をつくった人物として紹介される。彼の作品〈10個の計量器〉は、国立現代美術館果川の屋外彫刻公園で見ることができ、絶対的な基準や単一の真実という考え方に問いを投げかける。

果川館の屋外彫刻公園も、日本から訪れる観客にとって見逃せない場所だ。ここには郭徳俊の〈10個の計量器〉、李禹煥の〈四方から〉〈門にて〉、郭仁植の〈作品86—終わりなき〉に加え、日本の彫刻家・新妻實の〈城87〉、田辺光彰の〈ソウル、米、熱伝導〉などが設置されている。日本作家の作品が韓国の美術館の屋外空間に置かれている光景は、日韓美術交流が展示室内の記録だけでなく、実際の場所の記憶として蓄積されてきたことを示している。

同時代の作家による作品は、過去の交流史を現在の問いへと接続する。田中功起の〈傷つきやすい歴史たち(ロードムービー)〉は、在日韓国・朝鮮人をめぐる歴史、差別、共同体、脆弱性を扱う映像インスタレーションである。日本社会の中にあるマイノリティの問題を、国家間の外交や文化交流の枠を超えて、個人の声、記憶、そして「聞くこと」の倫理へと広げていく作品だ。

〈ロードムービー:1945年以後の日韓美術〉は、日韓関係を和解か対立かという単純な構図に閉じ込めない。むしろ、芸術家たちが互いに移動し、出会い、すれ違い、再びつながってきた過程を、時間をかけて見つめ直す展覧会である。日本の観客にとっては、韓国現代美術を現地で体験する機会であると同時に、日本の現代美術史の中に残る韓国、そして在日韓国・朝鮮人作家たちの存在を再発見する機会にもなるだろう。

2026年の夏から初秋にかけて韓国を訪れる予定があるなら、ソウル近郊の国立現代美術館果川で、日韓現代美術80年の「道」をたどってみたい。展覧会は9月27日まで開催される。

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